第1章

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『もしもし?』 「「もしもし…私からかける予定だったのに」」 『ごめん』 「「どうしたの?」」 『どうしたん?』 「「へ?」」 『ずっと気になってん。さっき何か言おうとしてたんとちゃうの?』 「「あぁ」」 『言えや』 「「別に用はないんだけど…‥」」 『なんやねん。それ』 「「声」」 『ん?』 「「声が聞きたかった」」 ずっと忘れとった。 彼女が極度な寂しがりやなとこ。 せやけどそれを彼女は出さないで 我慢すんねん。 『早く言えばえぇのに』 「「だって忙しいでしょ?」」 『せやけどそれとは関係ないやろ?』 「「うん…」」 それから長らく話をし 彼女の寂しい気持ちも 少し治ったとこで 電話は終わった。 あの声もっと近くで聞きたい。 ぬくもりを感じたい。 俺の頭は彼女でいっぱいやった。 .
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