8人が本棚に入れています
本棚に追加
声をかけるかどうか迷った。でも、俯いてスカートを握りしめながら、必死に何かを堪えてるのを見たらほっとけななかった。
「奈々?」
俺が声をかけると一瞬ビクッとなってこっちを見た奈々。
呼んだはいいけど、何を言えばいいか分からなくて、そんな自分に嫌気がさす。
「どうしたの?」
無理矢理笑顔を作った奈々が何も言わない俺に逆に聞いてきた。
「いや、なんか辛そうな顔してたから大丈夫かな?って思ってさ。」
こんなことしか言えない自分って本当にダメだなと思う。
結局、奈々は
「大丈夫。」
と再び笑顔を作って答え、前を向いてしまった。
.
最初のコメントを投稿しよう!