第一章 魔物の森

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「だな!!」 そう応えるとライトは立ち上がり、大きく伸びをした。 すでに空は朱く染まり、夕方を告げる鳥達が鳴いている。 ライトが服に付いた草を両手で払い落とすと、マールも立ち上がり大きく伸びをした。 「そろそろ帰ろうか」 「そうだな」 二人は村の方へと振り返った。 村には明かりが灯り、祭の準備が着々と進められているようであった。 明日はこの村の年に一度の祭で、近隣の村からも人が来る。 この祭は誕生祭と呼ばれ、元々は村人全員で生命の誕生、自然や太陽に感謝の祈りを捧げるものであったらしいのだが、今ではその面影はない。 まだ若いライトとマールは、むしろ今の祭で良かったと思っている。 祈りを捧げるだけの祭など、退屈極まりないに違いないのだから。 二人はそろそろ夕飯の準備が始まる頃であろう家へと帰路についた。
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