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「!?…谷口!」
彼女が立っていた。
顔も制服も同じだが何か違う。
全身がダイヤに反射したような光を放っている。手には更にまぶしく輝く剣を手にしている。彼女は俺に気付くと
「お前……どなしたんや…?…」
さっきの化け物同様、また緊張が走ったが彼女のは違い神聖な感じがする。
「西尾君………」
声も金属かガラスのようなキンキンした感じだが紛れもなく彼女の声だ。
ホッとした瞬間いいようのない悪寒に襲われた。
「あ…たも……なのね…」
俺は悪寒と共に全身にカスミのようなものに引きずり込まれる感じに襲われると同時に視覚の隅からまるで紙が焦げるようにみるみる黒くなっていく。
耳も聞えない。
(俺は死ぬんか……?)
俺は薄れゆく意識の中でなんとか彼女を見ていた。
ごめんね……
すでに俺の意識は闇に取り込まれていたがはっきりと聞こえた。
…よかった……
俺は闇に落ちる間際思い、頬に熱いものが流れるのを感じた。
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