片想い

14/24
前へ
/28ページ
次へ
「あ!顔赤いでぇ~。かわいい~!」 「えっ…ぁ…」 (くっ…;このばばぁ~!…) 「そういえば西尾くんってイケメンよね。こうやってみると。」 しだいに頭の中がぼぅとなって顔が熱くなるのを感じる。まだ何か話しているのはわかるが内容が入ってこない。相づちをうつのがやっとだ。 おもむろに江口はメガネを外す。 (…意外とかわいいかも) 身長は150くらいだろうか。授業中よく黒板の上の方に書くときは背伸びをしては、その度クラスの女子に「かわいい~」ともてはやされている。 よくとおる声でハキハキとした口調で自分より身長の高い生徒になめられまいとしているんだろう。 しかし今、目の前にいる江口は少女のようにうっとりとした顔で俺を見つめている。 (……なにこの空気…)
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加