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それは凄まじい食欲であっという間に周りにいたクラスメイトをたいらげていく。
まるで猿が落ちている林檎を食べるかのように…
そこはすでに地獄のどん底と呼ぶに相応しかった。
俺はギリギリの神経を奮い立たせて全力で逃げる。
そして
(……!……谷口!……あいつ無事なんか?!……谷口!…)
すぐに校舎のほうに走りだす。自分でも決断力の早さには驚いたが、少しだけ恐怖のなかに「彼女を助ける」という使命感めいた感情に体が熱くなるのを感じた。
無事、逃げられた奴とは下駄箱ですれ違った。
廊下は嵐にあったように瓦礫やそれの犠牲になった生徒や先生だったものがそこらじゅうに撒き散らされていた。まだ校舎全体から聞こえる悲鳴は止まない。
(…ぐっ……うそやろ…!…夢やろ…!)
三階への階段を上り切った時に彼女の生存は0に思われ同時に自分の危機を感じはじめた。
しかし。
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