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「いらっしゃいませ!」
自動ドアが空き中に入るとそこは
煌びやかなロビーであった
『(無駄にデカいな…)』
「本日はホテルの
ご利用ですか?
それとも不動産屋の
ご利用ですか?」
ホテルもあるから
この建物はデカいのか、
と納得する
しかしどうも
いやな予感は拭えない
『不動産屋…』
「かしこまりました
少々お待ちください」
どうもこういうところは
ストレスが溜まる
響は早く出て行きたいのを堪えて
おとなしく待った
数分後
先程の受付嬢が戻ってきた
「お待たせいたしました
こちらへどうぞ」
カツカツとヒールを鳴らす受付嬢に
ついて行きながらふと気付いた
『(子供なのによく通したな…)』
社長あたりにでも
小学生が来たら自分に通すように
言われたとか
なんて、ありえないか
冗談混じりにそう考えていると
立派なドアの前にやってきた
そして開かれるドア
受付嬢は一礼をして去っていった
中に座っていた男が
スッと立ち上がる
「社長の温水紫稀です」
『(…………大当たり…………)』
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