トリップ…?

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~響side~ 気が滅入る この重く垂れ込めた雲が 昔の事を思い出させて 雨の匂い 雨は嫌いじゃない ただこの空は大嫌いだ いつも、この空だったから 行くあてもない僕はただただ空を見上げる ポツッ… 1人佇む僕に空は容赦なく雨を 浴びせた 水を吸い重くなっていく服 これからどうしようか… 取り敢えず 雨にあたらない所に行きたい 空に顔を向けたまま 静かに目を閉じる このままどこかに 消え去れれば良いのに… 雨が僕を洗い流す 静かに息を吐き出した その時だった 急に顔にかかっていた雨が消えた 雨音が消えた 何が起こったのだろうか? よく分からない ソッと目を開ける その途端あたりの眩しさに 何回も瞬きしてしまった 先程とは打って変わって 大きく広がる青空 目が慣れてから周りを見回すと そこは見知らぬ場所だった そして見たことのある顔 一瞬で僕は何も分からなくなった 何でこんな所に 某漫画のキャラがいるんだ…? そして何で驚いた表情を してるんだ? 驚くのはこっちだ… 「てめぇ今光の中から…!!」 …喋ってるってことは 生きてるって事だな ってか光? しかし男は続く言葉を 発せないでいる ヒューー、ボスッ!! ちょうどその時 空から凄い勢いで 落ちてきたものが 狙い澄ましたかのように 僕の腕の中に収まった 『あ、僕の鞄』 それは僕の鞄だった とりあえず男を無視して 中身が無事かを確認 あれ? この紙…? 入れた覚えの無い紙を広げる 一枚目は何かの地図 二枚目は手紙 地図ばかり眺めていても 仕方がないので僕は 手紙を読むことにした .
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