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男が少し気を逸らした瞬間に
逃げ出した響は走りながら
小さくため息をついた
正確には逸れたのではなく
逸らしたのだが…
『(あのまま捕まってたら
面倒だったからな…)』
数キロ走ってから
スピードを落とす
あいつは確か…
覚えてないや←
まぁいいか、と
辺りを見回してみると
そこは駅前
『(ちょうどいいし
不動産屋にでも
行ってみようかな?)』
そうと決まれば行動だ
鞄から地図を取り出し
道を確かめる
近いな…
近過ぎにも程がある
と言うほど近い
これだと徒歩一分も
かからないだろう…
駅の近くってことは
儲かってるということだ
『(神の権力…?)』
もっともそんなの
どうでもいいのだが…
『(あ、着いた)』
ぱっと見上げれば
そびえ立つ巨大な建物
これ…?
『ヤな予感…』
小さく溜め息をつきながら
響はつかの間立ち尽くした
.
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