蟻の巣穴

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次に僕がそれを間近に見たのは、小3の夏だ。 相も変わらず小さい穴に小さい虫が次々と行き来している。 前に見たときから何年も経っているのに、それはなんら変わらない。 小3になったのだ…もう好奇心に負ける程、僕は可愛い子供じゃ無くなっていた。 あの時とは変わり、この日は見知らぬ女の子が僕に話しかけて来た。 でも、僕には彼女がなんと言っているか分からなかった。 仕方なく無視をしていると、今度は僕の顔を覗き込んで、また話しかけた。 結局最後まで彼女の伝えたい事が分からなかった。 その後、彼女は諦めたようにその場から離れていった。 僕は初めて異性と交流し、緊張していた。 気づけば夕陽も落ちかけ、カラスが鳴いていた。
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