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「何で名前ないの?」
「竜神族は基本的に家族単位で住んでいるんだぞ。んで、兄なら兄、父なら父って呼んでいるから名前いらないんだぞ」
なるほど…。
確かに、家族内ならそういった区別で分かるもんな。
「なら、俺はお前のこと何て呼べばいいんだ?」
「オイラのことを?【竜人】でいいぞ。オイラの父ちゃんとか兄ちゃんは【竜神】になるけどな」
漢字が違うだけで同じ呼みだから呼びにくいだろ。
良かった、こいつの親父と兄ちゃんいなくて。
「お前、ネームレス…だよな?人間なのに売られるってことは、孤児?それとも…」
竜人が何か言いかけた時、いきなり光が差し込んだ。
「まずい、オイラの後ろに隠れてろ」
竜人は俺の腕を乱暴につかんで、後ろに隠した。
中に誰かが入ってくる足音がする。
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