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「ごちゃごちゃ騒いでるんじゃねぇ!!黙っていろ!!」
野太い怒鳴り声がして、鞭で何かをたたく音がする。
それと同時に、誰かの悲鳴も。
「あいつ等がオイラ達を閉じ込めている人間だぞ」
竜人が小声で俺に教えてくれる。
後ろに隠れながら、俺はそいつらを見る。
…まぁ、予想通りっちゃ予想通りだが、無駄に体格のいい禿げ頭の男と、汚らしく無精ひげを伸ばしている小太りな男の2人が、傍にいる甲羅のある魔物を鞭でたたいていた。
「俺のせいだ…助けないと!!」
「しっ。あいつなら大丈夫だぞ。硬化族だから悲鳴をただあげているだけで、痛みなんて感じてねぇんだよぞ」
「そうなの?」
「おい、そこうるせぇぞ!!」
まずい、俺のせいで禿げ頭の方が俺達の方へ顔を向けた。
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