闇のなか

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しかし竜人は怯えている様子はない。 「オイラを殺すのか?いや、殺せるのか…?」 …怖い。 竜人の顔は見えないけど、明らかに殺気立っているのはわかる。 でも、禿げ頭は竜人にいやらしい笑みを見せた。 「お前、睨みつけていやがるが、立場が分かっているのかぁ?お前を縛り付けている【魔除けの鎖】がある限り、お前はただの虫けらと同じなんだ…よ!!」 禿げ頭が竜人の頭を思いっきり蹴った。 その蹴りが強かったのか、竜人は吹っ飛んだ。 「竜人!!」 「あ?お前…なんだ?」 禿げ頭が俺の髪を掴む。 痛い。 でも、竜人の方が心配だ。 「離せ!!」 「ただのガキじゃねぇか。…まぁ、ここに入っているからには、てめぇも次の市場で売ってやるよ」 下卑た笑い声を出して俺を突き飛ばすと、2人は外に出て行った。 「竜人、大丈夫か!?」 「いててて…。オイラは大丈夫だぞ。でも、悪い」 竜人が急に謝ってきた。
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