プロローグ

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窓ひとつない、テレビだけが置いてある部屋。 その部屋の中心に、少年は虚ろな瞳でテレビを見ていた。 「…」 ほとんど手入れされていないであろう無造作に伸ばされた黒髪。 日に当たったことがないような白い肌。 簡単に折れそうなか細い手足。 虚ろな瞳はテレビに映るアニメのキャラクターを捉えている。 「…黒ちゃん」 少年が【黒ちゃん】と呼んだのは、今観ているアニメの主人公である黒崎摩耶(くろさき まや)のことだ。 「俺も黒ちゃんみたいに強くなりたい」
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