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「そんなにあの先輩がいいわけ」
「爽やかでカッコ良くない?」
「良くない!!」
子供みたいにふて腐れてるのを見て、ちょっと笑っちゃう。
「私って部活入ってないから先輩って憧れなんだよね。しかも、神崎先輩なら会長になっちゃうだろうし。そんな人と知り合いになれたら、ちょっと自慢に思わない?」
「それだけ?」
「それだけ。だから、今日こそは奢ってよ」
「…わかってるわよ」
基本ハイテンションで、さばけているタカだけど、付き合ってみると意外と警戒心が強いのがわかる。
堂々とオネェキャラを公表してるけど、知らない所で傷ついてる事があるのかもしれない。
男女関係なく輪の中に入れる割に、親友って言ってるのは私くらいだし。
何で私? とは思うけど、こういう淋しがりでやきもちっぽい所を見せられると結構嬉しかったりする。
しかも、こういう嬉しさって、女子友達としてって気がする。
それが良いのか悪いのかは別として。
その日の放課後。
開票作業に参加して、いち早く神崎会長の誕生を知る。
これで選管は終了。解散。
と、思っていたんだけど、私は先輩の用事を忘れていた。
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