生徒会長

15/19

50人が本棚に入れています
本棚に追加
/230ページ
 選挙戦の翌日。  朝、校門をくぐった所で声をかけられた。 「さとみちゃん」  どこから声が? と、思ったら、玄関口の向かって左側で神崎先輩が手を振っていた。 「おはようございます。どうしたんですか?」 「昨日、用事あるって言ったの覚えてる?」 「あ、はい」  正確には、今言われて思い出しました。すいません。  先輩が場所を変えようと言うので、靴を履き替え、朝は人気の少ない特別教室棟に向かう。 「そうだ! 先輩、当選おめでとうございます」 「ありがとう。自信はあったんだけど、ほっとしたよ」  すごい強気な発言なのに、サラッと言ってのけた。  この先輩、実はかなりすごい人なのかも知れない。  人気のなくなった辺りで先輩は足を止めた。  しばらく爽やかな笑顔で見つめられる。 「えーと、あのー、用事って…」  何か言いづらい用件とか? 「あぁ、用事って言うか。良かったら俺と―」 「会長になったお祝いに、カラオケに付き合ってくれないか?ってお誘いですよね、神崎先輩」  振り返ると、ビックリ。タカがいた。
/230ページ

最初のコメントを投稿しよう!

50人が本棚に入れています
本棚に追加