50人が本棚に入れています
本棚に追加
/230ページ
「大丈夫だって、私が誰かと付き合うなんてありえないから」
「…興味なくなった？」
過去形で聞いてくるのは、きっと私が振られた事を知ってるから。
「あんな感じの結末だったけど、色々憧れたりはしちゃうんだよね。悲しいことに。じゃなくって、私が告白されるって事がありえないって話」
「そんなの、わかんないじゃない」
「何言ってるの。クラスや学校に可愛い子いっぱいいるのに、私なんかに告白してくるわけないから」
「それこそ、分かんないでしょ。だって…さとみ、可愛いし」
照れてるのか、最後の方は声が小さい。
それでもやっぱり嬉しいかな。
だけどさ。
「あのねぇ、いくら女友達に可愛いって言われても、それって挨拶みたいなものでしょ。そんなの間に受けたりしません。お前は可愛くないから大人しくしてろって、よくお兄ちゃんに言われたもんよ」
「え、そんなこと言われてたの？」
「うん、今も。だから、可愛いとか、綺麗だとか言ってくるやつには気を付けろって」
「いや、ある意味その通りなんだけど」
「でしょ！ お兄ちゃんの言葉を忘れて告白なんかするなんてさ。きっと初めて学校別れたから、ちょっと浮かれてたのかも」
最初のコメントを投稿しよう！