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「ねえ、どこ行くの?」
「ここ」
と言って真央が指したのは、普段出入りのない空き教室。
「入って、入って。それじゃあ早速着替えてみようか!」
カーテンを閉め、うむを言わさず紙袋からスコートを渡される。
「えー!!」
無理・むり・ムリ!
だって、物凄っく短い。そりゃ制服は多少詰めてるけど、でもコレは…。
「借りてきた手前、どんな感じか知りたいんだ。タカはあんなだし、他のメンバーは知り合いってわけじゃないし」
うっ…。
「もちろん、ショートパンツも着替え用タオルもあるから。ね」
とか何とか言われたら、断れない自分が悲しい。こんなことなら、昨日の夜にケーキなんか食べるんじゃなかった。
「…どうですか?」
渋々着替えて聞いてみる。
上は看板作りの為にTシャツ着てるから、合わせは大丈夫だと思う。けど。
「おお、いい! ね、少し動いてみて。回るとか、跳ねるとか」
ここまで来たら、言われるがままにしとく。でも、ひらひらと動くスカートは、ちょっと可愛いかも知れないとか思ってしまう。
「んじゃ、次メイクね」
「メイクも?」
「タカに当日のフルメイク頼まれてるの。ヅラも付けるんだよ」
と言いつつ、真央に何気なく椅子に座らせられる。
こうなったらトコトン付き合ってやろうじゃないの。
それに、どんな風になるか楽しみじゃないと言ったら、たぶん嘘になる。
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