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小学生タイシには、毎朝一緒に登校する女の子がいた。
その上、その女の子は小さい頃からタイシの家のお隣さんで、よくタイシの家に遊びに来るような仲の良い幼なじみだった。
などと言えば、ラブコメ漫画のようなウキウキ感に浸れること間違いなしなのだけれど、実際はそういうたぐいのニュアンスはちょっとずれている。
確かにタイシとその子は幼稚園から一緒で、幼稚園のお泊まり保育で隣同士の布団で寝たり、パンツ一丁でプールのお遊戯を一緒に体験したような間柄だったし、小学校卒業を間近に控えた今も、幼なじみなりに仲がいい。
歳が小さすぎてその頃の記憶は残念ながらハッキリ残っている訳ではないけれど、お泊まり保育やお遊戯を一緒にしている写真がアルバムに残っているから物心つく前から仲がよかったのは確からしい。
けれど、タイシと女の子はよくケンカをした。
女の子の名前はハナと言うけれど、ハナはタイシの頭をすぐ叩くのだ。
叩きながら、罵倒する。
タイシにはそんなことをされる心当たりはなかったりするけれど、ハナにはなにか理由があるのかもしれない。
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