0人が本棚に入れています
本棚に追加
「タイシがわたしの知らない女子ににへらと笑いかけてるのとは関係ないんだけど、わたし中学は私立に行くから」
と手を繋いで下校しているときにハナが突然そんなことを言い出したので、タイシはビックリしすぎて
「え、え、」
と、どもった。
「え、なんで」
とようやく聞き返すと、
「イジメられてるから」
とハナが言った。
タイシがまたまた絶句していると、
「でも、イジメなんかなくったって私立に行ってたけど」
とハナはニッと笑う。
ハナは勉強が好きな女の子だった。
好きなだけではなく、ちゃんと勉強ができたので、わざわざ公立でみんなとペースを合わせて勉強するより私立で自分のやりたいだけ勉強する方が確かにハナには合っているのだろう。
「でも、」
とタイシが往生際わるくなにか言おうとしたとき、
バシッとハナに頭を叩かれた。
「もうとっくに決めてんの」
とハナは言う。
最初のコメントを投稿しよう!