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チチチチチチ...
青々と生い茂る森の中、1人の青年が仰向けに倒れていた。
木々の隙間から一筋の光が漏れ彼の片目に降り注ぐ。
「ううう...
こ、ここは...?」
起き上がった青年、もうい"高月 ハヤト"は辺りを伺う。しかしどうも見慣れない景色が広がっていた。
「とにかく森から出てみるか...」
ハヤトは、立ち上がるとゆっくりと歩きだしたのだった。
その頃ハヤトから少し離れた場所でも青年が1人...いや、1"匹"が倒れていた。
1匹というのも身体は人間のようだが身体中銀色の毛に覆われ顔は狼、いわゆる獣人という奴である。
彼は"篠宮 シロン"、狼の獣人である。
「...うん?
い、つつつつ~~~。」
シロンは、頭が痛いのか後頭部を押さえた。
「ここはどこだ?もしも~し、誰か応答してくれ。」
通信機を耳にあて誰かの返答を期待するが、誰からも返答がない。
「あれ、故障かなぁ?
っ、誰か近くにいる。」
臭いで誰かがいることを感じたシロンは、その臭いの元へと向かっていったのだった。
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