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だが、争い事の熱帯低気圧は、これより始まる新たな学生生活が、最愛の彼女のお願いから、ほどなく大嵐の吹き荒れる事態になるなど現時点で考えもしなかった。
表面的には、穏やかに過ぎた3週間程の日々。
しかして波瀾の種は発芽していた。
その事態を収拾する為、舞は幸二にお願いをする。
「ねぇ幸二、お願いだから、綾の件に協力してよ」
「綾って、あの噂の嘘つきだの、オオカミ少女だのと言われてる娘?」
「そうよ、だけど綾は言われてるような娘じゃないの! 周りが悪意で綾を貶めてるの、だからお願い」
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