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朝、隣に体温を感じ目を覚ます
横を見ると、幼馴染みの1人、木下秀吉が幸せそうに眠っていた
この幼馴染みは第三の性別『秀吉』とまで言われる程に女顔だ、街を歩けば軟派され学校では男から告白される
その顔は寝起きに見るには辛い物がある
だがそこは幼馴染み、馴れた物だ。秀吉の頭を軽く叩き、起こす
「む…正明か、おはよう」
「おう、朝飯作ってやるから起きろ」
といつも通りの朝を過ごし、家を出た
紹介が遅れたが彼の名前は紅正明
文月学園二年生である
まあ、今日がその二年生1日目だが
「のう正明」
「あ?どうした?」
横を歩く秀吉がふと声を上げる
「ワシ等は何クラスになるのかのう…」
「あー…ま、何処でも良いんじゃねえか」
ガシガシと頭を掻きながら答えると、秀吉は嬉しそうに目を細め
「…じゃな」
と言った
暫く無言で歩き続けると、文月学園の校門が見える
「あれは…西村先生かのう」
「…げっ、鉄人かよ」
「聞こえてるぞ紅」
校門の前に立っていたのは西村宗一教諭
彼は趣味がトライアスロンという超肉体派教師で一部の生徒からは鉄人と呼ばれる
「おはようじゃ、西村先生」
普通に挨拶する秀吉に対して正明は
「よお、鉄人」
「鉄人じゃない!西村先生と呼べ!」
「趣味がトライアスロンってどう考えても鉄人だろ」
「その鉄人と張り合えるお前も十分だ」
「ねえよ」
完全にコントと化した
現に秀吉は笑いを耐えている
「全く…ほら、お前らのクラス表だ」
「うむ」
「サンキュー鉄人」
「紅、放課後俺の所へ来い」
「すいませんでした」
謝るくらいなら言うなよ…と思いながらも他の生徒達は正明を見つめるが正明はそれを無視し鉄人から封筒を受け取っていた
「ワシはやはりFか…正明はどうじゃ?」
「俺は…」
と言ってクラス表に目を落とした瞬間空気が凍った
それもその筈クラス表に小さくだが正明の天敵の名前とメッセージがあったのだ
『Fクラスだって?残念だねぇ』木原貴弘
この木原貴弘という男、正明と顔を合わす度に喧嘩をふっかける
その為、正明の天敵となっている
その証拠に正明の額には青筋が浮かび、目には剣呑な光が宿っている
鉄人ですらたじろぐ程だ
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