二人の関係……。

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  「ッ…………雪音ッ!!!!」 「…………」 土方は、我慢ならず雪音を呼ぶが…… 雪音は、冷たく何も宿していない瞳を土方に向けた…………。 「……お、お前…… 本気でそいつと行くのか?」 「……土方さん、今までお世話になりました。 新撰組……の皆さんにも、そう伝えて下さい」 「雪音……」 「……ンッ!! ッア……フッ……ン」 雪音の気持ちを確かめようとする土方に、雪音は無表情で礼を言った……。 土方が雪音に近寄ろうとした時………… 土方の目の前で……高杉が雪音に深く口付ける……。 雪音は、嫌がる素振りを見せず…… なすがままに……甘い声だけをただ漏らす…………。 「ッテメェッ!!!!」 「イッテェ……」 土方は、我慢ならず雪音から高杉を引き離し殴り飛ばした……。 高杉は、口の端から流れ出た血を拭い土方を睨んだ……。 「雪音……帰るぞ!!」 「……ッ!!!!」 「なっ……?」 土方は、雪音の腕を掴み歩き出すが…… 直ぐに腕を振り払われた……。 「……アンタ、あの日から……何人、女抱いた? 何回やった?」 「………………」 雪音の静かな問いに土方は、言葉をなくす………… 雪音の表情は、無表情なのに…… 瞳には、はっきりと軽蔑の色が宿っていた…………。 「汚いねん、そんな手で私に触らんでくれん? 新撰組の情報、漏洩するかもしれんって思ってんやったらさっさと斬り…… 生きてる意味なんて……もう……」 「それは、俺が困る…… これから雪音は、俺の嫁になるんだからさ…… じゃあ、土方さん……雪音もアンタを拒否ったし…… こうなる事…… 頭の良い副長殿なら分かっていたんでしょ?」 今までの雪音からは、全く想像、出来ない、冷たい口調で…… 心底、土方を軽蔑した瞳をしていた……。 もう死んでもいいと言う雪音の言葉を高杉が後ろから抱きしめ遮る……。 「……雪音?」 「…………さよなら」 高杉に連れられ……土方の横を通り過ぎる時…… 土方は、雪音の名を呼ぶ…… でも、雪音は、立ち止まらず…… 冷たい口調で別れを告げた…………。 .
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