二人の関係……。

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  「新撰組の副長殿、顔を合わすのは、初めてだな……」 「……誰だキサマ……」 雪音に気づいた土方に高杉は、襖を開け話す……。 土方は、女から離れ高杉を睨む……。 「高杉晋作……と言えば分かるだろ? お前等の監察は、優秀だし…… 俺も名は売れてる方だしな…… それに雪音が報告もしてるだろう」 「……攘夷浪士……そいつが俺と雪音に何のようだ……」 自己紹介をする高杉に土方は、より目付きを鋭くする……。 「なぁに、傷ついた姫を奪いに来たまでさ……。 新撰組の為、お前の為…… 惚れたモノの為に命すら投げ出さんばかりの美しい姫をな……」 「…………」 高杉は、楽しそうにニヤリと笑い話す……。 土方は、ただ睨みつける 真意を確かめるように……。 「頑なに新撰組を守ろうとする雪音をどうやって口説くか悩んでた矢先…… 体調を崩し、新撰組を離れたって情報が入ってな…… どんな手を使っても手に入れる事にした……」 「……なぜ、お前と雪音が此処にいる」 高杉の話を聞き、何故此処にいるか尋ねる土方に…… 高杉は、目付きを鋭くし土方を睨みつけた……。 「……オメェが雪音を壊す鍵、だったからだよ」 「……雪音を壊す鍵……?」 高杉の言葉に土方は、聞き返す……。 「どれだけ強くても女は、女…… 惚れた男、それも命を投げ出さんばかりに心底惚れた男が他の女を抱く姿を見せたら…… 誰でも壊れるだろう?」 「ッ!?」 鋭かった目付きが素に戻り…… 口元だけをニヤリと歪め話す高杉の言葉に土方は、息をのむ……。 「……雪音が体調を崩したのもアンタのせいだ…… 綺麗だったぜ? 壊れる寸前に……アンタを心底思い、心底絶望して一粒の涙を流した雪音は…… この場で抱きたくなるほどにな」 「……雪音を、どうするつもりだ」 艶かしい表情で雪音の頬に口づけながら言う高杉に下唇を噛みしめた土方が尋ねる…………。 .
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