二人の関係……。

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  「……決まってるだろ? 俺の嫁にする…… 姿形、上等……極め付きは、中身まで上等だったら言う事ねぇだろ?」 「……何、意味……わかんねぇ事、言ってやがる……。 雪音は、新撰組の仲間だぞッ!!」 土方の問いに高杉は、ニヤッと雪音の頬に手をやり撫でる…… 土方は、床を殴り…… 雪音は、新撰組の仲間だと言い放つ……。 「良く言う……。 本当は、居なくなった方が…… アンタは、嬉しいんじゃねぇのか?」 「は? 何、言って……」 「……雪音が壊れたのは、アンタのせいだ…… さっきも言ったよな? アンタ、雪音から逃げたんじゃねぇのか?」 高杉の問いに意味が分からないと言った表情で口を開くと…… 高杉に途中で遮られた……。 高杉の言葉に土方は、黙り込む……。 「雪音に初めて会った日から、監視をつけて…… 屯所を出る前から雪音を見てた…… 日に日にボロボロになって行くと報告される、俺の気持ちがテメェに分かるか? 初めて……心底、欲しいと切に願った女が…… 他の男に傷つけられる…… それでも……心底テメェや新撰組に惚れてる雪音に惚れたのも事実だから…… 奪うような真似したくは、無かった…………」 「…………」 乱暴な口調で何かを我慢するように言う高杉に土方は、黙る…………。 「……でもな、土方…… 雪音が新撰組の屯所を出て一週間…… 史乃の店には、毎日…… 新撰組の態士が来ていた…… 『これを雪音さんに』、『雪音さんは、大丈夫ですか?』皆が『雪音、雪音』と口にして…… 顔は露見してなくても…… 新撰組と居合わすのは、得策じゃねぇから…… 毎日、時間をズラすのに苦労した…… 新撰組、全てが雪音を愛して大切に思ってる………… 雪音も少し、回復して来て居たし…… お前が来るなら…… 俺は、こんな事しなかったさ…… テメェは、逃げたんだ…… 雪音の愛から……雪音を愛す事から………… だから……雪音の心が壊れて、死んでも…… 俺の手元に置くって決めた…… ありがとうよ……お前のおかげで…… 雪音は、壊れたよ…………」 高杉は、黙り込む土方を無視して話を続け…… イヤミっぽく礼を言った…………。 .
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