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「着替えたなー」
先に体操服になった翔汰と慶哉に俊二は言った。
隣には啓太がいて、彼らは野球部専用の練習着を着ている。
紺色で左胸には西高と刺繍されている軽そうな素材。
「あの先輩。……他に先輩たちはいないんですか?」
ふと、他に先輩の姿が見えない事に翔汰は啓太に聞いた。
のほほんとした彼は、口調も同じくこう言った。
「もう来るんじゃないかな? あの二人は人気だから」
翔汰はこの言葉の意味がわからなかった。
ほんの、一瞬までだが。
「あ、来た」
啓太は優しい顔つきを変えず、体育館の方を見た。
同じく翔汰も振り返る。
「えっ……?」
彼らの目に明らかに不自然な集団が見えていた。
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