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「凛紀さん!?」
「兄貴!?」
慶哉と翔汰が同時に叫んでいた。
運動場中に響くような声で大きくだ。
「どした?」
突然の声に焦りを隠せない先輩二人。
「もしかして、凛紀の事?」
啓太が分かったように呟いた。
井上凛紀(いのうえりんき)。
苗字の通り、慶哉の兄で、端正な顔立ちに成績、運動優秀。
オールマイティーな彼は昔から人気はあった。
しかし、本人は無口であまり喋らないので、その人気はあまり表立つことはなかったが。
(モテるわなー)
内心翔汰はそう思っていた。
翔汰と慶哉が西高に入ったのも、凛紀とプレーしたいという思いもあったからだった。
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