42人が本棚に入れています
本棚に追加
「うん。知り合い」
静かに凛紀は言った。
周りにいる先輩たちは驚きの目を向ける。
野球のプレーヤーとして凛紀には昨年、他校から推薦が来ていた。
それを蹴って西高に入学してきたのが意外だったのに、凛紀の知り合いとはどんな人物なのか気になったのだ。
この数年、翔汰は凛紀と会ってなかった。
久しぶりに見る彼はずっと大人びていて、さらに長身にこの整った容姿。
キャプテンの光輔の愛嬌をみて、翔汰はこの二人に取り巻きができるのは頷けると改めて思った。
「マジか!? どうゆう関係だよ?」
光輔は興味津々に尋ねた。
「翔汰は昔、同じリトルやった。んでこっちが……弟」
慶哉の肩を軽く叩いて、凛紀は言う。
「えぇ!? そう言えば苗字」
「へぇー。ぜんぜん似てねぇ」
ジロジロと二人を見比べ、改めて先輩たちはそう言った。
最初のコメントを投稿しよう!