開始

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「うん。知り合い」 静かに凛紀は言った。 周りにいる先輩たちは驚きの目を向ける。 野球のプレーヤーとして凛紀には昨年、他校から推薦が来ていた。 それを蹴って西高に入学してきたのが意外だったのに、凛紀の知り合いとはどんな人物なのか気になったのだ。 この数年、翔汰は凛紀と会ってなかった。 久しぶりに見る彼はずっと大人びていて、さらに長身にこの整った容姿。 キャプテンの光輔の愛嬌をみて、翔汰はこの二人に取り巻きができるのは頷けると改めて思った。 「マジか!? どうゆう関係だよ?」 光輔は興味津々に尋ねた。 「翔汰は昔、同じリトルやった。んでこっちが……弟」 慶哉の肩を軽く叩いて、凛紀は言う。 「えぇ!? そう言えば苗字」 「へぇー。ぜんぜん似てねぇ」 ジロジロと二人を見比べ、改めて先輩たちはそう言った。
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