開始

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「すいませんねー。俺ら似てないんすよ」 慶哉は不貞腐れながら、そう言った。 「すまん、つい本音がッ」 「うわぁ、近藤さんひでぇ」 俊二の言葉に慶哉は泣き真似をする。 確かに初対面では、井上兄弟は似ていない、と判断される。 慶哉は兄と違ってよく喋り、冗談を言う。 凛紀と言えば、静かに頷くだけ。 しかし、奥底では二人はいかにも兄弟らしい。 信念を貫くのは人一倍彼らは似ていると言える。 「お前ら、新入部員なんやし、早く着替えて練習しようぜ」 俊二が促し、二人は部室に入って行った。
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