開始

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「じゃ、準備出来たし、キャッチボールしよっか」 光輔はにこやかにそう言った。 物腰の柔らかい彼に、次第に二人も打ち解けてきた。 翔汰たちは、練習着に着替えた先輩たちに習って、互いにキャッチボールをする。 「……俺ら今ん所、四人しか部員いないの知ってた?」 光輔がもの悲しげに言った。 「今、知りました」 慶哉が至って悪振りもせずに聞く。 「前までは名門って言われてて、強かったんやけどね」 俊二が遠い視線のまま言った。 「はい。知ってます」 翔汰も残念そうに俊二に言った。 「今年は地区予選出たい!」 啓太も意気込みながら言う。 「負け試合なんて、沢山やしね」 光輔も頷く。
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