開始

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「待て待て。一年……三人やで」 俊二が気づいて訂正した。 「俊? 三人って誰かいるん……いたわ」 光輔も一人の少年がこちらを見ているのに気付いた。 「もしかして入部希望者?」 そこには翔汰と同じ新入生がいた。 眼鏡をかけた知的な少年は無表情に頭を下げた。 「君、名前は?」 光輔は恐る恐る尋ねる。 「……安藤裕希(あんどうゆうき)です」 少し長めの黒髪の下にある泣きぼくろが特長的だった。 「安藤って」 翔汰はその名前に聞き覚えがあった。 「荒井シニアの!?」 目の前にいる少年。 それは去年全国優勝したシニアのキャッチャーの名前だった。
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