開始

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冷静な判断に的確なリード。 県内では有名な、彼の名前を今間近で聞いている。 「安藤……なんでお前が県立に?」 それもそうだ。 全国優勝したレギュラーメンバーを強豪や私立が狙わないはずない。 聞かずして、いれないだろう。 「待っているんです」 彼は身一つ動かさずに呟いた。 「誰を? あ、彼女かッ!?」 啓太はまた間抜けな返答をする。 「いえ、もっと大切な奴です」 それを気にせず、彼は答えた。 その瞳は真っ直ぐで綺麗な空を映していた。 真剣にどこかを見つめるように。
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