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「ミキ…?ミキ…」
小さい頃
生まれた頃から一緒にいた幼なじみがいた。
「…ミキ、ミキ!」
ミキの家は大きくて、庭に広い公園があって
その公園には大きくて高い木があって
その公園で2人で遊んでて、
いつもミキのそばに付いてたおじちゃんはたまたまいなくて
「ミキ!ねえ!」
私が木に登って
危ないからって心配して一緒に登ってくれたミキ
高い場所、苦手なのにね
「…………いったぃ…」
「ミキ…っ待ってね、ママ、ママ呼んでくるから!」
すごい風が吹いてバランスを崩した私を支えたミキ
その拍子に足を滑らせたミキは高い木の上から落ちてしまった。
ミキが地面に叩きつけられた音と、折れた枝がミキの上に落ちた音
一瞬、何が起こったか分からなくて
でも、すごく怖くて
ミキの手を掴んだ感覚が私を支配してて
それが離れていく瞬間も
私が、ミキを押した。
わざとじゃない、なんて言い訳にしかならなくて。
…私が、ミキを落とした。
私が、ミキの目を、奪った。
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