a daydream

2/2
前へ
/83ページ
次へ
「ミキ…?ミキ…」 小さい頃 生まれた頃から一緒にいた幼なじみがいた。 「…ミキ、ミキ!」 ミキの家は大きくて、庭に広い公園があって その公園には大きくて高い木があって その公園で2人で遊んでて、 いつもミキのそばに付いてたおじちゃんはたまたまいなくて 「ミキ!ねえ!」 私が木に登って 危ないからって心配して一緒に登ってくれたミキ 高い場所、苦手なのにね 「…………いったぃ…」 「ミキ…っ待ってね、ママ、ママ呼んでくるから!」 すごい風が吹いてバランスを崩した私を支えたミキ その拍子に足を滑らせたミキは高い木の上から落ちてしまった。 ミキが地面に叩きつけられた音と、折れた枝がミキの上に落ちた音 一瞬、何が起こったか分からなくて でも、すごく怖くて ミキの手を掴んだ感覚が私を支配してて それが離れていく瞬間も 私が、ミキを押した。 わざとじゃない、なんて言い訳にしかならなくて。 …私が、ミキを落とした。 私が、ミキの目を、奪った。
/83ページ

最初のコメントを投稿しよう!

33人が本棚に入れています
本棚に追加