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...あ、貧乏ゆすり始めた。
携帯を付けたり消したり繰り返してる。
食器を洗っていながらも、対面キッチンから大貴のイラついている姿が目に止まった。
──大魔王様の機嫌を損ねた。
サークル時代の大貴に関する御法度を思い出した。
"彼の前で粗相は厳禁。"
飲み会の大貴は本当に大魔王の様で、機嫌を少しでも損ねた人は潰れるまで彼の標的だった。
...隼人も何度も彼に潰されてたな...
────
「なに?まだなワケ?
お前トロすぎ」
「おっ、?
あ、ご、ごめんなさい、すこしぼーっとしてて」
萌映は手を止めて考えていたことに大貴の声で気付く。
......まだ当たり前の様に心の中心に隼人がいる。
私、忘れられる?
大貴さんは本当に忘れさせてくれる?
萌映は大貴をじっと見つめた。
大貴はそれを背中で感じ取ったのか、一瞬振り返り萌映を見てまたテレビに目を向けた。
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