異世界―スピカ―

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「じゃあどうやって風を出すの?扇風機?」 そういえば最近羽の無い扇風機があるわよね。 あれ前に知り合いに言ったら「それクーラーじゃね。」って言われたわ。 「違いますよ。美鈴さん。魔法で風を起こすのです。 貴女の中で風を思い浮かべてください。」 わたしの中で風を…? そっと胸に手を置き考えてみる。 風は… そうだなあ…。 包み込むように優しくて癒してくれる感じよね……――――― 『そう、それが本来の風。全てを癒し、宥める―』 どこからか声が聞こえてくる。 だけどわたしは疑問に思わずに素直に答えていた。 『貴女は―?』 『わたしは貴女、貴女はわたし―貴女にはわたしの【風】を受け継ぐ素質があるようです。 ―さあ目を開けて―』 ゆっくりと瞼を開ける。 すると、エリフやラステルさんが驚いたようにわたしを見ていた。 「美鈴さん…やはり貴女は素晴らしいお方です…」 「今…何が…」
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