異世界―スピカ―

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「貴女の手の中にあるものを見てみてください。」 ラステルさんに言われ、初めて自分が何かを握っていることに気付く。 「これ……」 わたしが握っていたものは『杖』だった。 わたしの身長より長くててっぺんには翡翠の飾り石を中心に幾重にも翼が重なっていた。 「その杖は、貴女から生まれたものです。この杖が貴女がこの世界で扱う【神器】となります。」 神器…? テレビ?車? あ、それは三種の神器か。 「【神器】というのは、この世界の者が必ず一つは持つという武器です。 一般の者は神器というものを持つことを禁じていますが、各世界の五階級は神器を持っています。」 はい。意味不ー。 五階級ッテナニー 「五階級とは、天使、人間、悪魔にある階級でして…上から王、神官、武官、門番となっております。それぞれ一人ずついますね。」 なるほど… その五人だけに神器を持つことが許される訳ね。 「そして各世界ごとに持つ神器の種類も違いますし…その神器によってできることも異なります。」 できること…? やっぱりカードをレリーズするのかしら。 「神器は杖、弓矢、長剣、銃、槍、鎌があります。天使は杖、弓矢を用い。人間は長剣、銃を。悪魔は槍、鎌を扱います。」 「わたしは杖でしたよ?」 「きっと貴女は光に近い存在なのでしょう…」
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