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「美稀…私、今から真面目ちゃんを卒業しますっ」
「あーはいはい。行くなら屋上にでも行ってらっしゃい」
「誰か先生が来たらうまい事言ってね!…寂しいから本持ってきます」
そう言ってから童話を持って席を離れた。
てくてく歩いて扉の前に立つと、美稀からは何も言われず、代わりにげらげらと笑い声が聞こえた。
横目で冷やかな視線を送ると、「はよ行けぇっ」と怒鳴られた。
「ふんっ行ってきますよっ!」
その言葉を最後に、私は重い教室の扉を開ける。
そこには無法地帯が広がっている…気がした。
杉下愛美、生まれて初めて"サボり"を挑戦します。
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