2.森の中

13/13
前へ
/24ページ
次へ
「美稀…私、今から真面目ちゃんを卒業しますっ」 「あーはいはい。行くなら屋上にでも行ってらっしゃい」 「誰か先生が来たらうまい事言ってね!…寂しいから本持ってきます」 そう言ってから童話を持って席を離れた。 てくてく歩いて扉の前に立つと、美稀からは何も言われず、代わりにげらげらと笑い声が聞こえた。 横目で冷やかな視線を送ると、「はよ行けぇっ」と怒鳴られた。 「ふんっ行ってきますよっ!」 その言葉を最後に、私は重い教室の扉を開ける。 そこには無法地帯が広がっている…気がした。 杉下愛美、生まれて初めて"サボり"を挑戦します。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加