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扉の先は、ピンクや黄色など暖色系で統一されていた。
今にも小動物が顔を出してきそうなくらい、メルヘンチックだ。
周りに咲いている花も珍しいものばかりで…中庭と言うより、森の中みたいだ。
私は足音をたてないように、ゆっくりと中央にある桜に向かってみた。
「……」
少しずつ近くなる人の気配。
離れたところから見てもわかるくらいに、やっぱりカクカクしている。
…そおっと顔を覗いて、すぐ帰っちゃおう。
ちょっとした恐怖感と好奇心に追われ、顔を下から覗くように傾けた。
「…ぇ、寝てる?」
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