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「君、だれ?」
重なっていた長いまつげがゆっくり離れ、透き通っている黒い瞳が現れた。
男の子は、覗きこんでいる私をじっと見ているため、私は全く動けない。
…なんだか見下されてる感じだ。
でも、このシチュエーションにドキドキしてしまう。
ぁ、私が起こしちゃったのかな?
とりあえず謝らなきゃ…っ。
「あの…」
「謝るとかはいいから、俺は君の名前を聞いてるの」
「いっ一年の坂本愛美ですっ!」
…声、裏返った…?
「あ、そうなんだ」
「……」
「っかさ、緊張しないでよ。俺も同じ一年だからさ」
思ってた事を読まれた事と、初対面なのに指摘されたという羞恥心に、心全体が溺れた。
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