12人が本棚に入れています
本棚に追加
「あーその顔は恥ずかしがってるのかな?」
さっきからされる指摘はあたっているし、男の子の声には余裕が詰まっていて、ちょっと悔しくなった。
勢いよく立ち上がって、その男の子をにらむように見た。
「そうゆう貴方は誰よっ」
「対抗心燃えちゃった?」
ほらまた…あたってる。
今度は私が見下す側なのに、羞恥心がおさまらない。
「俺は東徹だよ」
「あずま…とおる君…?」
「そうだよ、あーみちゃん」
お互いの名前を呼びあったこの瞬間が、なぜかものすごく…いとおしく思えた。
私は無意識に、握り抱えている本に力を加えていた。
最初のコメントを投稿しよう!