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長篠高校 教室
「昨日凄いプレイヤーがいたんだよ」
「誰?」
「ジンとか言ってさ、【オーク】の集落を一日で三つ壊滅させたって」
私の通う私立長篠高校。その教室で友人数名が【ブレイドクロニクルオンライン】の話をしている。
ジンとは無論、私のことだ。友人が話してるゲームの中で、私はジンという名前のアバターを使ってる。
私の名前は織田夏希。長篠高校に通う二年生だ。五月になり、新しいクラスにも慣れてきた。
「なにニヤついてんのよ夏希」
そんな私に横から声をかける人一名。
「なんだ、毒キノコの夏恋か」
「毒キノコとはなんぞ毒キノコとは。このロリっ娘め」
クラスメイトの上杉夏恋。口が悪いので毒キノコと私は呼んでいる。夏恋は私の身長や体型を指してロリっ娘とか言ってきたけど。
夏恋はスタイルもよく、かなりかわいい。所謂クラスのアイドルだ。口汚いけど。
「私はそんなロリじゃないもん。ちゃんと身長だって145cm以上……」
「夏希、以上って言葉は145ぴったしも含むということをご存知かしら?」
「うぐぐ……」
私は夏恋に最後のごまかしすら看破されてグウの音も出なくなった。まあ、それでもほんの1cmだけ、さば読んでるけどね。
「おーい、授業始めるぞー」
先生のその声で私と夏恋は会話を打ち切った。6時間目なので、あと少しの辛抱だ。
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授業後、ある後輩が私のいる教室を訪れた。セミロングの髪に眼鏡をかけた、清楚な女の子だ。
身長は私より上、がっくし。
「あのおに、じゃなくて遊人先輩はいますか?」
「むにゃむにゃ、もう食べれない~」
夏恋がなにやら寝ぼけている。それを無視して私は遊人とやらを探した。
遊人とやらとは、この学年で初めて出会った。故に探すのは困難そうだ。
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