三日月の狂戦士

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 遊人はすぐに見つかった。なにせ、若白髪にしては真っ白な髪をしているからだ。  「理架か。なんの用?」  理架というらしい後輩に遊人は近づいた。しかしこの理架という後輩。後輩のくせに私より背が高いとはけしからん。  「お兄ちゃんと言いかけたようだけど、別に学校でもお兄ちゃんでいいからな」  「呼び方はともかく、母さんが今日明日、出産予定日だから父さんがスタンバっとけって」  「了解」  なにやら慌ただしく遊人と理架は去っていった。母親が出産予定日なら、当たり前か。  「むにゃむにゃ~。夏希のロリ」  「夢の中でも人をロリ呼ばわりか……。起きろ!」  私は夢の中でまで容赦なく毒を吐く夏恋を叩き起こした。私が遊人と理架の話を聞いてる間にも、私のことをちびっ子だのツルペタだの言ってたが。  「むにゃ……。あれ? 数学の授業は?」  「あんたは開始5分で撃沈よ」  夏恋は寝ぼけたことを言っている。この調子で赤点をとらないか心配だ。  「そういえばさ。あの理架って後輩と遊人、どうゆー関係? 理架は遊人のこと、お兄ちゃんって呼んでたけど、あまり似てないよあの二人」  「あー。遊人と理架は親の再婚で兄妹になったのよ。遊人も始めはお兄ちゃんって呼ばれるのに慣れてなかったみたいだけどね」  「へー」  遊人と付き合いの古い夏恋からの情報だけに信用できる。なるほど、今回の赤ちゃんは所謂セメントベビーって奴か。  「そうだそうだ。夏希さ、私にブレイドクロニクルのやり方教えてくれない?」  「いいけど、なんで?」  夏恋は私にゲームのやり方を聞いてきた。フルダイブゲーム以外は夏恋にやり方聞くから、教えるのは初めてかも。  「いやさ、友達が誘うのよ~。涼子は確実にからかいたいだけだろうし、煉那はも同様」  「だから予習しようと?」  「そーいうこと」  私はそんな夏恋の頼みを、渋々聞くのだった。
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