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大学三年生の夏。
やりたい事もなく、なりたい職業もない。
真里亞は就職活動をしようともせず、ただダラダラと毎日を過ごしていた。
「楽して稼げればいいのにな」
真里亞は煙草に火を着ける。
煙草もタダではない、学生には痛い出費だった。
わかってはいるのだが、止める事が出来ない。
かと言って、金を払ってまで、治療しようとは思わなかった。
「真里亞~!真里亞ってばぁ。真里亞待ってよぅ。夏休みの予定立てようよォ~」
手を振りながら、こちらに向かって走ってくる女性。
彼女の名前は小熊美香(おぐまみか)スレンダーでショートカットが似合う可愛らしい顔立ちだ。人見知りもせずに、ハキハキと喋る彼女は、大学でも人気者だった。
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