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「このネクスト機は一体……」
ガレージにはいつものノーマルは無かった。
セレンと二人で廃材から造り上げたノーマル「ストレイド」は、おそらく購入資金へと変わったのだろう。
しかし、ノーマル一機を売り捌いた程度では、ネクストには届かない。
前述の通り金はない。
なら奪ってきたのか。
その線も有り得ない話しだった。
セレンはAMSの影響で下半身麻痺を起こしている。
今となっては、電気信号と機械仕掛けの関節部で不自由なく歩くことは出来るが、激しい運動に耐えられるほどではない。
「安心しろ、私のお古を売って足しにしておいた」
そんな男の表情を読み取って、セレンは答える。
元々セレンもリンクスだった。
昔を語ろうとしないセレンの事は、これ以上知らない。
あの時見たネクストも、その所在は分かっていなかった。
「まぁ、その金は出世払いという事にしておいてやるさ」
強引だなと、男は思った。
しかし、それは自分に対する期待の表れであるとして受け止めた。
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