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「ここに居たのか、ストレイド」
「セレン……」
カラード機関内部のガレージ。
前回の戦闘を無事に乗り切ったストレイドは、キャットウォークの鉄柵に身を預け、被弾した箇所を修理しているニージュを眺めていた。
その下では、成功報酬で雇ったカラード所属の技術者達が忙しなく動いている。
油のキツい臭いと、機械の騒音が、ストレイドにはどこか気持ち良く思える。
「今回の報酬の収支報告が纏まった。目を通すといい」
セレンは小脇に抱えていた薄型の小型端末を差し出す。
それを受けとったストレイドは、端末に視線を落とす。
報酬200000c。
修理費85000c。
弾薬費8000c。
その他
必要経費 15000c。
実質報酬 92000c。
「まぁ、初回にしては十分だろう」
少し誇らしげに、しかし気を緩めるなという意思とともに、セレンはストレイドに投げ掛ける。
「コロニーのコジマ粒子除去装着の増設と、ガレージの拡張。それと、専用の輸送機も欲しいところだからな。お前にはまだまだ働いて貰うぞ」
「分かっている」
ストレイドは素っ気なく答えると、再びニージュに視線を向けた。
「どうしたストレイド。なにかあの機体に不備を感じたか?」
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