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夕方、太陽が地平線に沈む時間。
真っ赤に燃える日が、荒廃とした大地を赤茶けた色へと塗り変える。
漆黒の帳が下りるまえに、ストレイドはシュミレータールームを後にした。
訓練内容はQBの使い所と、実際の動きの練習。
前回の戦闘で実践出来なかった事だが、これで少しはまともになったと思える。
確かな実感を覚えつつ、ストレイドはそのまま輸送機のある飛行場へと向かった。
ネクストを運用する輸送機であるため、この居住区の近くに基地はない。
これは、コジマに汚染された大気と、ネクスト自身が発するコジマ粒子を洗浄しなければならないためだ。
場所は、今いる居住区から5Km圏外に位置する第三飛行場。
ストレイドの移動手段は、バスである。
†
そのころ、セレン・ヘイズは第三飛行場で輸送機を手配していた。
今回はネクスト機が2機搭乗するという事もあり、前回使用したものより大型の物である。
そうなると勿論使用料も高く着くため、金銭の工面に苦労は事欠かない。
なにより、今回は報酬の半分以上を持っていかれる事になっている。
ストレイドがヘマをすれば赤字になる可能性もある。
今回の経験が後々に活かせるなら、それもいい。
だが、セレンにとっては、どう転んでも頭を抱えたくなる出来事に違いはなかった。
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