起動せんし蛇菜

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机に座ってノートを広げてみた。そこには数字が広がる文字の太平洋、言うならば数学のノートが俺の宿題として目の前に現れたのだ。こればかりは避けて通りたいばかり。数学はいくら勉強しても好きになれないしわからない。マヤならスラスラ解けるが俺は別。そこが頭の作りが違うことを意味していたと実感出来た。 開いた窓からはセミの鳴き声が響き渡る。もう夏を迎える手前だからだ。気晴らし気に窓から外を眺めてみる。決して宿題に手を出さずに逃げた訳でないと言い聞かせながら見た景色は平凡な住宅街だった。隣にはマヤの家。なかなか大きい和風な一軒家、そして離れのプレハブ小屋が家の景観をぶち壊していた。 そんなマヤの家に隣接するのは巨大マンションである。無人マンション、と噂されるほど人一人として見ることが無いマンションなのだ。作りは新しく、夜にマンションを見ても明かりが見えることが無い。だが、時より爆発音が響くと噂も耳にする。 あとは一軒家が続くだけ。まあ平凡なご近所ですよね。
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