能力者達の抜け道

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場所 NIB本部 「…ってことでこの子が新しいチームメンバーの」 「川上 風雅(カワカミ フウカ)です」 『よろしく』 皆が口を揃える歓迎する、そういやこの子の名前、ここに来るまでに聞いてなかったな 「じゃあ早速皆の紹介をしていくんだけど…まずは俺から」 川上さんの前に出て、自身の胸を叩いた 「吉田 竜輝(ヨシダ タツキ)、このチームのリーダーで、川上さんとは同じ1年だ、困ったことがあればすぐに言ってくれ」 「はい、よろしくお願いします…」 「よろしく、で…次は」 最初に誰を紹介するか少しの間悩む、ここは同性が無難だろうか 「このピンク色の髪をした子、夜桜 恵(ヤザクラ メグミ)だ、ものすごく優しくて気の利く子だ、そして回復のエキスパートだ、学年は俺らと同じで1年だ」 「よろしくね」 恵の挨拶に川上さんは軽く返す、それを見て次の紹介に入ろうとするが 「俺は春風 空(ハルカゼ ソラ)だ、よろしくな、学年は1年だ」 勝手に自己紹介していたので補足を加ええる 「こいつは能力者じゃない、けど能力者を差別するような奴じゃないから安心して」 そんな俺の補足を遮るように空は続ける 「川上さんにひとつ」 「な…なんでしょうか?」 急にまじめなトーンで喋りだした空に 川上さんも少し驚いているように見える 「俺は恵と付き合ってる、なんで竜輝とよろしくやってもいいぜ」 「ちょっ、なにいってんだお前は」 たまにこの手のいじりを空がしてくる 空をシッシと手で払い続ける 「あいつは無視して次紹介するぞ、黒髪の短髪、メガネをかけてまさに知的って感じのこの人が城木 啓介(シロキ ケイスケ)、本当に頭がいい、とても頼りになる奴だ」 「そう煽てるな、所詮俺の知識など学生生活が終えるまでしか必要ないのだから」 俺の紹介に少し自虐交じりに啓介が口を挟む 「どうして知識がいらないのでしょう?」 川上さんは困惑した顔で質問する、 それに啓介はここはといわんばかりに口を開く 「簡単な話だ、念の為に最初に聞いておくが、日本やアメリカ、ロシアや中国等の先進国以外の国は、どんな状況になっているか知ってるか?」 「3年前から異世界への扉が開き、魔物が溢れているって聞いてます、その影響で能力者もでてきたって」 「その通り、俺ら能力者にはこの魔物に対抗できる力がある、去年やっと能力者の魔物討伐が世界的に認められた、そのうち日本にも魔物討伐ギルドが出来ると言われている」 啓介は川上さんにここまでは大丈夫か、そう確認するかのように目線を送り それに気づいた川上さんは頷く 「能力者は現状、それを職にするのが最も効率がいい為、戦闘において頭脳は腐らないとは思うが、どちらかといえば、頭ではなく能力の練度や身体が今後必要と言うわけだ」 魔物はそこまで賢くないと聞くしな、そうつぶやきながら啓介は話を終えた それを聞いた川上さんは少し考えた後、こう返した 「あれ?でもそれで食べて行けるんですか?」 「討伐の標的や依頼の内容によってランクたるものが付けられる、FEDCBAと付けられ、その上位にSが位置するらしい、そしてAランク以上の報酬では一回の討伐で2、3ヶ月生きれるほどの報酬があるとか」 「す、凄い」 そして俺が最後の補足を入れる 「一応高校は出るためにそれなりの勉強はするけど、教室は居心地が悪いから大抵は啓介に教えてもらって、能力強化や研究、後は能力者開放のために時間をつかってるよ」 だから啓介の存在はとても助かってるんだけどね そう付け加え俺は啓介の紹介を締めた
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