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「お主ら、警護は頼んだぞ」
「レモンに任せてね。かなり強いから安心して良いよ!」
そうはっきりと言ったのはレモンと名乗るハーフリングの少女だ。
ハーフリングの外見は成人しても容姿が変わらない無邪気な子供の姿をしており見た目から用心棒稼業の者と見抜くのは同業者あるいは、その道に通じている者以外にはまず無理と思われる。
「犯人は俺が捕えて見せるぜ!」
そう言い切ったのはシドと言うエルフ族の男でエルフ族には珍しく高級品と一目で分かるジャケットにカーボーイハットという、まるで西部劇の保安官のいで立ちで合成屋の待合室に用意してあるソファーに座り煙草を吹かしていた。
「犯人は誰か解らないけど、まぁゆっくり行こうぜ。そのうち解るよ」
シドとは対象的に落ち着きはらった言葉を言ったのはラークだ。ラークもシドと同じエルフ族の男で、こちらは一般的な魔法使いが好んで使うローブを身にまとい、その上からさらに頭を完全に覆い被さる事の出来る帽子の付いたローブをはおっていた。
「ラーク、余裕だな。まるで犯人を知ってるみたいな言い種だな?」
「ハッ、ハッ…。まだそこまでは解らないけどね!?」
「むぅ…、そうか?」
シドの問いにラークが軽く答える。何かいい加減な口調で答えるも目が笑ってなかった。おそらく根拠があっての発言なのだろう事が見て取れる。
それに目ざとく気付いたシドは少し考え込みうなった。
その時だ。合成屋の呼び鈴が鳴りドアが開いた。そしてドアからドワーフ族の男が大型の剣を持って入って来る。
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